浴槽水等検査(レジオネラ属菌検査等)

浴槽水等検査(レジオネラ属菌検査等)

「レジオネラ」は普段から私たちの周りにいる通常ではなんて事のない細菌の一種です。なぜこれが今問題になっているのでしょう?

この菌は人間の体温に近い36度前後でよく繁殖しますですので20度以上の水が停滞または循環する人工環境水にはかなりの数が生息してしまうことがあります。 そしてその増殖した菌が蒸気にのって肺に入ったとき「レジオネラ肺炎」を起こし、最悪の場合死にいたることもあるのです。

通常の体力がある人であればさほど心配はありませんが、お年寄りや、乳幼児など抵抗力の弱い人などは気をつけなくてはいけません。 普段からそのような条件の揃いそうな場所はこまめに掃除するなど管理をしていけばさほど怖い菌ではないのです。

当上田薬剤師会でもレジオネラ属菌の検査を行っておりますし、ご相談にもお答えしています。お気軽にお声をお掛けください。

レジオネラQ&A

レジオネラって怖い?
レジオネラ菌は昔から土に存在し、私たちの周りにいる普通に存在する菌です。それ自身に毒性はありません。
じゃあなぜ怖いの?
レジオネラ属菌はとても小さな菌でとても軽く、空気中に立ち上る湯気や水蒸気に乗ることが出来てしまうのです。
例えばお風呂の蒸気などが格好の乗り物になります。 空中に舞い上がったレジオネラ菌は蒸気と一緒に漂いながら人の肺の中に直接入ってしまいます。人間には病原菌と戦う力があり、入った場合でもやっつけてしまうのですが、たまに体力のない病後の方や新生児、お年寄りなどがレジオネラ菌の勢いに負け発病してしまうのです。
じゃあどうしたらよいの?どんなことをすればよいの?
レジオネラと上手く付き合えばよく、清掃と消毒とに尽きます。
一番手軽に行われている方法は塩素剤消毒です。これは水道水などに入っているものと同じ次亜塩素酸というもので消毒するという方法です。
国からの通知では24時間中、2時間の間0.4ppmの濃度を保つのが望ましいとされています。これはレジオネラ菌がもし入ってしまっても、それ以上には増やさせないようにするという目的があります。
レジオネラが人に害を及ぼすようになるにはかなりの数が必要です。増えるのにとても時間のかかる菌ですので、上記の濃度を保つことで発病するまでの数にはならないのです。
塩素剤はにおいが気になりますが。
清掃後浴槽を消毒して浴槽にお湯を張ったときにはほとんどにおいが残らないのではないかと思います。通常、お湯に残っている残留塩素が0.4ppmぐらいまでは浴室内に入った時のにおい等はほとんど感じません。
泉質によって塩素が効きにくい?
確かに温泉等は泉質の影響で塩素剤の効果が薄れがちです。この場合、まずは浴槽から綺麗にしていくということを考えてみてはどうでしょうか。
レジオネラはお風呂の中では水垢(アメーバ)に取り込まれると塩素剤が効かず、アメーバの中で増えてしまうという現象が起きます。その巣となってしまうアメーバを取り除くには、まずは浴槽を綺麗に洗うことです。そしてその浴槽を塩素剤消毒するということがポイントとなります。
浴槽の掃除はいつもと変わらずごしごし洗い、その後次亜塩素酸を浴槽に吹きかけてしばらくおいた後に洗い流していただければいいのです。それだけでレジオネラ菌は死滅してしまうのです。
0.4ppmってどれくらい?
ppmとは百万分の一という単位で 1リットルあたり0.4mg入っているということになります。家庭用のお風呂に例えると、浴槽が約200リットルですからその中に残留塩素が80mg入っているということになります。コーヒーに入れるスティック砂糖の小さいもので1gですから、その約20分の1の量です。 一度0.4ppmという濃度を実際に試してみることお勧めします。残留塩素の濃度を注入器等まかせにせず、一度測って入れてみるのです。お風呂の大きさや形状等でどのくらい塩素剤を入れて、どのくらいの時間残留塩素が逃げずにとどまっているかを試してみましょう。 残留塩素の測定器が必要でしたらお貸しいたしますので、当検査センターまでお申し出ください。